【酒蔵社長・杜氏直伝】日本酒おつまみシリーズ
仕事を終えて、「さあ晩酌!」と思っても、いつもと同じような料理ばかりだと変わり映えがなくて、ちょっとつまらない感じがしますよね。せっかく美味しいお酒を飲むなら、「それに合った美味しいものも食べたい!」と思うのは当たり前。料理の良し悪しで、その日の晩酌の気分も大きく変わるもの。
筆者である私まっすーも同感です!そこで、さっそく蔵元におすすめのおつまみを尋ねてみました。今回教えていただいたのは、料理が大好きな酒蔵副社長。直々に蔵元からリアルなお話を聞かせていただける機会は、なかなかないですよね。
目からウロコが落ちる知識ばかり!蔵元直伝のかなり具体的なおすすめメニューで激ウマなので、試す価値が大いにありますよ♪
この記事を読めば、今日の晩酌メニューは決まり!
目次
酒蔵社長・杜氏と直接乾杯♪ ハンズオンローカルSAKE
本記事を書いております私たちは「ローカルのお酒通販×つくり手とのオンライン乾杯」を掛け合わせたおうち体験型お酒通販サービスを行っております。
いわゆるオンライン酒蔵ツアーであり、おうちにいながらも地方の酒蔵の社長や杜氏さんと乾杯できちゃう、とっても素敵なサービスなんです♪
(→自分でいうな!笑)
お酒の味だけではなく、つくり手の人柄・考え方まで味わってほしい。
そんな想いでサービスを運営しております。
今回ご紹介する日本酒おつまみメニューはそのオンライン酒蔵ツアーで直接聞いたリアルなおすすめです。
日本酒マリアージュ・ペアリングとは
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000136.000014510.html
マリアージュ・ペアリングという言葉は、とてもオシャレなイメージですよね。マリアージュはフランス語、ペアリングは英語から由来するもの。
ざっくりとした言葉の意味だと、マリアージュは「結婚」、ペアリングは「組み合わせ」です。
これだけではちょっとわかりにくいので、具体的にどんな意味なのか、違いも一緒にご紹介します。
マリアージュとは
マリアージュは「結婚」という言葉以外にも、食の世界で用いられています。特にワインでよく使われている表現です。
2つの異なるものが一緒になると、新たなものが生まれる、というまさに「結婚」という言葉にマッチした表現方法ですね。
マリアージュは、A×B=Cのように、美味しさの掛け算的な要素を持っている感じです。
お酒と料理を掛け合わせると、個々にはなかった新しい味が生まれる、といった期待値の高い結果を表現する際に、マリアージュがよく使われるようです。
ペアリングとは
一般的に、ペアリングはマリアージュと比べると、もう少し柔軟な意味合いになります。お酒と料理を組み合わせて食事を楽しむといったところですね。
A+B=ABというように、それぞれの美味しさを足し合うといった感じです。
日本酒の場合、マリアージュとペアリングのどちらを使うべきか、というよりも、それぞれの銘柄に合う料理はたくさんあるので、掛け算的な組み合わせになるものはマリアージュ、広い範囲で相性が良いものをペアリングと使い分けするケースが多いようです。
蔵元によるマリアージュの説明
オンライン酒蔵ツアーで、篠田副社長からマリアージュのご説明と、ご自身の見解をお聞かせいただきました。思わず「なるほど!」と唸ってしまうような内容をご紹介します!
蔵元は、マリアージュとペアリングの使い方については、ほぼ一緒の意味ととらえています。世界的、特にワイン文化の進んだ国ではマリアージュの方が広く使われているとのことです。
マリアージュ・ペアリングの基本的な考え方は、
- 濃い味の料理には濃いお酒が合う
- 鍋物のような温かい料理には、温かいお酒が合う(同じ温度のものが基本的に合う)
- 舌ざわりがさらっとしたものには、さらっとしたお酒が合う
といったもの。これは「味の濃度を整える」「温度帯を合わせる」「食感を合わる」といった、料理とお酒の一致度を高めることにつながっているようです。
日本酒とワインの違いを徹底解説! - theDANN media|お酒の総合メディア
また、ワイン文化と日本酒文化の違いについても、面白いお話を聞かせていただきました。
日本酒ではワインとまったく違う点があるとのこと。
それは、ワインの場合、食べ物を飲み込んだ後でワインを口に含み、ワインを飲んだ後に食べ物を口に入れるというのがマナーで、日本酒の場合は食べ物が口の中に残った状態で飲むという食事の作法における違いです。
このような作法や文化の違いから、ワインと日本酒でのマリアージュに対する考え方や感覚も異なってくるようです。
さらに、蔵元ご自身の見解についても教えていただきました。個人的には、どんな料理にも日本酒を合わせるようにしているとのこと。
これは、ご自分の経験をきっかけに、習慣化するようになったようです。
蔵元が、2019年に中国でペアリング・マリアージュの勉強会に参加した際、非常に辛い食べ物に、中辛程度の日本酒を組み合わせたら、ありえないくらいマリアージュが素晴らしかったようです。
まったく違う、予想を超えたマリアージュが生まれる素晴らしさを経験したからこそ、生まれた考え方ですね。
マリアージュはいつどこで生まれるかはわからないもの。
基本にとらわれ過ぎていると、そのチャンスを逃してしまう可能性があるので、常に探求する気持ちを持っていると、いつか面白い体験に出会えるはずです。
日本酒マリアージュ・ペアリングにおける大まかな基準
食の分野で「相性が良い」という考え方は、人間が持つ味覚が大きく関わってきます。それは「甘味」「塩味」「苦味」「酸味」「うま味」という5つの五味からくるもの。
- 甘味:あまい
- 塩味:しょっぱい
- 苦味:にがい
- 酸味:すっぱい
- うま味:食べ物や飲み物に含まれる「味物質(グルタミン酸・イノシン酸・グアニル酸)から感じる「旨い」という感覚
日本酒と料理がミックスされて、私たちの口の中に入る時、五味を通して相性が良いかどうかを判断するというわけですね。
そのほかにも、「コク」や「辛味」を感じる「味」、嗅覚を通して感じる取る「風味」、「温度」や「食感」を感じ取る「食味」など、美味しいと感じる要素はたくさんあります。
これらを踏まえたうえで、日本酒におけるマリアージュ・ペアリングにはどのような基準があるのか、大まかにご紹介したいと思います。
なお、日本酒マリアージュ・ペアリングの基準は、個人個人の嗜好や食事環境などによって多少の違いがあるようですので、一例として参考にしてください。
【濃淡】お酒と料理の味の濃淡を合わせる
素材の風味や味わいが引き立つあっさり目の料理には、軽いあっさり目のお酒、濃厚な味の料理には重厚感のあるしっかりとした味わいのお酒を合わせる組み合わせ方です。
【香味】お酒と料理の香りのニュアンスを合わせる
スパイシー系の料理には辛口淡麗寄りのお酒、柑橘系や爽やかなハーブ系の料理には吟醸酒のようなフルーティな香りのあるお酒など、料理とお酒の香りを合わせる組み合わせ方です。
【温感】お酒と料理の温度帯を合わせる
冷たい料理にはよく冷えたお酒、温かい料理にはお燗したお酒をペアリングするのが定番の組み合わせと言われています。
【食感】お酒と料理の食感を合わせる
さっぱりとした舌触りの料理には、さっぱり系のお酒、滑らかな口当たりの料理には、滑らかな飲み口のお酒を合わせます。舌触りや飲み口、口当たりなど食感や質感に注目するペアリングです。
上記の組み合わせが大まかな基準になります。このようにマリアージュ・ペアリングの基準を知っておくと、日本酒と料理を選ぶ際に楽しみも加わりますよね。ぜひ皆さんも参考にしてみてください♪
酒蔵社長・杜氏がおすすめする日本酒おつまみ 4選〜福岡県若竹屋酒造場編〜
基本的な知識を理解したところで、ここからはさらに重要な情報に入ります!
今回は、若竹屋酒造場のお酒に合うおすすめのおつまみをご紹介します。しかも、篠田副社長みずからご提案いただいたレシピ付き!どれも魅力的なペアリングばかりですよ♪
福岡県田主丸若竹屋酒造場について
創業元禄12年(1699年)の若竹屋酒造場は、いにしえの時代から続く伝統ある酒蔵です。九州を悠々と流れる最大級の筑後川からもたらされた水脈は創業当初から枯れることなく、良質な水源となっています。ミネラル分が豊富な水、良質な米、そして手作りへのこだわり。
納得のいくまで妥協しない酒造りがここにはあり、日本酒造りの魅力に取りつかれて業を成した初代若竹屋伝兵衛の魂が受け継がれています。
代表銘柄は「若竹屋純米吟醸 溪(たに)」「若竹屋伝兵衛馥郁元禄之酒(ふくいくげんろくのさけ)(通称:元禄酒)」「Debut」。
- 合資会社 若竹屋酒造場
- 福岡県久留米市田主丸町田主丸706
- TEL 0943−72−2175
- ホームページは、こちら
篠田副社長について
「最初の一杯でなくていい、最後の一杯でありたい。」というモットーを持つ篠田副社長。常に篠田副社長の心は、日本酒を飲む人たちへと向けられています。
そしてそれを実現するために大事なこと、それは地元と一体になるというお考え。若竹屋酒造場では、町内の契約農家さんが育てた酒米「山田錦」や「夢一献」と地元の水を使い、「made in 田主丸の若竹屋」という地元田主丸に息づく酒蔵という位置づけであり続けます。
日本が誇る伝統的な「造り手」、酒元を繫栄させるための「商い人」という両方の感覚を併せ持つ酒造りの世界で、300年以上という長い間、時代とともに生き続けた酒蔵だからこそ、篠田副社長のお言葉には重みが感じられます。
今回ご紹介するお酒とペアリングメニュー
今回ご紹介するお酒は下記の3つ。若竹屋の代表銘柄に合うおつまみを4つペアリングします。
- 若竹屋純米吟醸 溪(たに)
- 若竹屋伝兵衛馥郁元禄之酒(ふくいくげんろくのさけ)(通称:元禄酒)
- Debut
若竹屋純米吟醸 溪(たに)のペアリングメニュー
どれも手軽に用意できる材料と簡単なレシピばかりのおつまみですが、日本酒とのペアリングでグッと料理が引き立ちますよ♪
- お酒:若竹屋純米吟醸 溪(たに)
- 使用米:山田錦
- 精米歩合:50%
- 日本酒度:+3
- おすすめの飲み方:冷や、常温、熱燗
簡単ハンバーグ
食中酒にもっともおすすめな「溪」。和風系の肉料理にはピッタリ!
材料(1人分) |
分量 |
ひき肉(お好みで合挽、牛のみ、鶏のみ) パン粉、牛乳 玉ねぎ 酒かす(あれば) 醤油、酒 焼き肉のたれ(あれば)
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200g 各大さじ2 150g 大さじ2 各大さじ2 適量 |
【レシピ】 1.玉ねぎはみじん切り、パン粉は牛乳と合わせる 2.(1)とひき肉、酒かすを混ぜ、10分ほど寝かせる 3.(2)を一口サイズにし、少量の油を引いたフライパンで最初強火で焼き、焦げ目がついたら肉を取り出す 4.フライパンに残った肉汁に醤油、酒、あれば焼き肉のたれを適量併せてひと煮立ちさせる 5.皿に盛りつけた肉に(4)をかける ※お好みで(5)ではなく、大根おろしなどでもOK! |
レンコンサラダ
マヨネーズがアクセントになるおつまみには、ぬる燗にした「溪」が◎。
材料(1人分) |
分量 |
レンコン 粒コーン ハム マヨネーズ 塩コショウ(お好みで)
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100g 80g 2枚 大さじ1弱 適量 |
【レシピ】 1.レンコンは薄く2~3mmに切り、酢水に10分程度つけておく 2.(1)をざるに上げて、軽く水洗い 3.(2)とハムを電子レンジで4分ほど温める 4.(1)とマヨネーズを混ぜ、お好みで黒コショウで味をつける
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若竹屋伝兵衛馥郁元禄之酒(ふくいくげんろくのさけ)(通称:元禄酒)のペアリングメニュー
- お酒:若竹屋伝兵衛馥郁元禄之酒(ふくいくげんろくのさけ)(通称:元禄酒)
- 使用米:夢一献+レイホウ
- 精米歩合:85%
- 日本酒度:-32
- おすすめの飲み方:ロック、ジンジャーエール割
なんちゃって豚の角煮
「元禄之酒」のポイントは酸味。こってり系の料理とロックの「元禄之酒」とのペアリングは、お酒もおつまみもどんどん進みますよ♪
材料(1人分) |
分量 |
豚肩ロース or 豚バラ はちみつ 醤油 酒 しょうが ネギ(青い部分)
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200g 適量 大さじ2 大さじ1.5 適量 適量 |
【レシピ】 1.一口サイズに切った豚肉を串で複数個所刺し、それをはちみつで漬け込みラップでくるんで、常温で30分ほど寝かす 2.(1)に他の材料を入れて良く混ぜ合わせ、耐熱容器に入れる 3.(2)をレンジ200Wで5分、裏返してさらに200Wで5分 4.一度冷まして味を染み込ませる
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Debutのペアリングメニュー
- お酒:Debut
- 使用米:レイホウ
- 精米歩合:70%
- 日本酒度:+1
- おすすめの飲み方:冷や
サクッとピンチョス
フレッシュな香りと味わいの「Debut」。さっぱり系の料理とともに、ワイングラスでオシャレな晩酌も素敵ですね。
材料(1人分) |
分量 |
豚肩ロース or 豚バラ はちみつ 醤油 酒 しょうが ネギ(青い部分)
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200g 適量 大さじ2 大さじ1.5 適量 適量 |
【レシピ】 1.一口サイズに切った豚肉を串で複数個所刺し、それをはちみつで漬け込みラップでくるんで、常温で30分ほど寝かす 2.(1)に他の材料を入れて良く混ぜ合わせ、耐熱容器に入れる 3.(2)をレンジ200Wで5分、裏返してさらに200Wで5分 4.一度冷まして味を染み込ませる
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いかがでしたでしょうか?
みなさんがお気に召すペアリングメニューもあったのではないかと思います。
是非とも何か一つお試しください♪
これからも酒蔵社長・杜氏さんおすすめ日本酒ペアリングメニューシリーズを続けていきますので、乞うご期待あれ♪
酒蔵の社長・杜氏とおうちで交流するならハンズオンローカルSAKE
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