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【佐賀県基山町・基山商店】日本酒「基峰鶴」―姉弟の絆でつなぐ地酒への想い―

オンライン酒蔵留学レポート

オンライン酒蔵留学は、おうちにいながら地方の酒蔵さんとダイレクトにつながって、一緒に乾杯できる日本酒通販サービスです。
作り手さんの想いや人柄も味わうことができ、日本酒を通して「人生の学び」や「新たなつながり」、そして「推し蔵」が生まれる場となります。

本記事では、これまでオンライン酒蔵留学にご出演していただいた酒蔵さんをご紹介!
この記事を通して、酒蔵さんの想いやこだわりについて是非触れてみてください♪

今回は、代表銘柄「基峰鶴(きほうつる)」を醸す佐賀県基山町の基山(きやま)商店をご紹介いたします♪

基山商店(きやましょうてん)について

基山商店 外観
※基山商店 外観
画像引用元:基山商店Instagram

 

佐賀県に蔵を構える「基山商店(きやましょうてん)」。
専務兼杜氏である小森賢一郎(こもりけんいちろう)さんが酒造りを牽引する同蔵は、1920年(大正9年)に現在の合資会社として設立されました。2026年現在で105年目を迎える、歴史ある老舗の酒蔵です。

代表銘柄は山田錦を使用した「基峰鶴(きほうつる)」。
佐賀県基山町にそびえる国の特別史跡・基肄(きい)城がある「基山」の山懐を、悠然と舞う鶴の優美な姿から命名されたとのこと。
また蔵が位置する佐賀県基山町は、とても"美味しい味わいの柔らかいお水がとれる恵まれた土地"。このお水の柔らかさを最大限に生かし、
"本当に飲んで笑顔になれるような、ほっこりするようなお酒造り"を目指して日々酒造りと向き合っています。

良質な原材料は勿論のこと、その技術と情熱が実を結び、2015年には、「基峰鶴 純米吟醸 山田錦」がインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)でGOLD賞を受賞、さらに、2025年の新酒鑑評会では「基峰鶴 純米大吟醸 山田錦」が金賞を受賞するなど、これまでに数々の実績を積み重ねてきました。

現在では、製造量の約1割をフランスをはじめとするアジア各国へ輸出。
その味わいとともに、日本酒文化の魅力を海外へと発信し続けています。

杜氏と専務を兼ねて奮闘している賢一郎さんは、
「基山の米と、水で醸した酒を通じて、基山のことを知ってもらいたいだけじゃなく、地元の方にもさらに愛されるお酒を造っていきたいです」と語ります。

またこの蔵の魅力は、老舗でありながらも、"次世代を見据えた先進的な取り組みにどんどん挑戦している"こと。
例えば、若い世代にも楽しんでもらえるよう「酸味」や「フルーティーさ」を持たせた新しい味わいの日本酒造りへ挑んでいます。
一方で、「本当の地酒とは何か?」という本質には、常に真摯に向き合い、現在使用しているお米の8割ほどは佐賀県産ですが、これをさらに掘り下げ、地元・基山町産のお米へと切り替えていくという、"地元にこだわった取り組み"を行っています。

つまり、酒蔵がこの土地にある意味を深く考え、地元の農家さんとタッグを組んで米作りから携わることで、"真の地酒造り"を追求しているのです。

そんな伝統の重みと革新的なエネルギーを併せ持つ「基山商店」の奥深い世界へ、早速ご案内いたします!

酒造りに適した基山町の歴史

基山商店 屋上からの景色
※基山商店 屋上からの景色
画像引用元:基山商店Instagram

「本当の地酒とは?」――

基山町は佐賀県の東の端に位置し、豊かな自然に抱かれた環境にあることが、酒造りに大変大きな影響を及ぼしています。
実際、この地が古くから酒造りの舞台として愛されてきたのには、歴史と風土が織りなす必然の理由があったからです。

歴史を紐解くと、この土地はかつて対馬藩の中心部(主要都市)から離れた地だったため、米作りのための平地に乏しかった対馬藩の人々が、雨や雪に恵まれ、寒暖差があり、豊かな稲穂を育てられる土地を求めてやってきたのが、この基山でした。
後の大正時代に、ふんだんに実るお米の価値をさらに高めよう、と人々が集い、今の酒蔵の礎が築かれたといいます。

ご存じのとおり、酒造りに欠かせないのは、谷あい特有の厳しい冷え込み(仕込み時期)と、山から湧き出るふんわりと柔らかな伏流水といった綺麗な水。
先人たちから受け継がれたこの地の恵みがある影響もあり、前述したとおり、基山商店は「本当の地酒とは」というテーマを見つめなおしているのです。

基峰鶴 特別純米酒 脊振湧水
※基峰鶴 特別純米酒 脊振湧水
画像引用元:基山商店HP

また、基山商店では福岡県と佐賀県の県境に連なる脊振山系の伏流水を仕込み水として使用しています。
「この町には、とてもおいしい味わいの柔らかいお水があります。そのお水を生かしたお酒作りをしています」と賢一郎さんが自信と誇りをもって語るように、「背振湧水(せふりゆうすい)」という銘柄も発売。

地元契約農家栽培の山田錦を100%使用した特別純米酒は、米の甘みと落ち着いた香りが口の中いっぱいに広がる味わい。
こちらも【2021年酒類鑑評会 純米酒の部 金賞受賞】を誇るまさに基山ならではの逸品となっています。

さらに長年、農家と固いタッグを組むことで、良質な「酒造り用の米」を最大限に活用し、
玄米の表層にある脂質や雑味の元を丁寧に取り除き、極限までお米を磨き上げることで生まれる、繊細で透き通った味わいの酒を醸すことができるのです。
基山町の自然の恵みを最大限に引き出す真摯な想い。これは"小規模な酒蔵だからこそできる酒造り"の強み。

土地の記憶と、未来へと向かう情熱。基山商店の一杯は、農家と酒の造り手たちの温かな笑顔が、そっと心に浮かびあがる逸品となっています。

姉と共に蔵を守る小森賢一郎さん

基山商店 小森姉弟
※基山商店 小森姉弟
画像引用元:基山商店Instagram

「酒造りは逆算」と賢一郎さんは言います。
造りたい酒の着地点をまず決めて、そこから原材料を含めて何が必要かを逆算。つまり設計図をイメージしながら最終的に酒へと落とし込むという過程です。

そして賢一郎さんが酒造りに集中できる環境を多角的に支えるのは常務の姉・綾子(りょうこ)さん。
賢一郎さんが杜氏として蔵に戻るまでには、並々ならぬ覚悟と道のりがあったといいます。

賢一郎さんは、日本酒の醸造を学ぶ最高峰のひとつ「東京農業大学」で学びを深めた後、奈良県の高名な「梅乃宿酒造」へと修行に赴きます。そこで現代的な酒造りの技術と精神を叩き込まれました。
ようやく修行を終えて基山に帰ってきた彼を待っていたのは、高齢となった前杜氏の引退という、蔵の存続に関わる大きな転換点でした。
一時は蔵を閉じるという話さえ持ち上がったと言います。

その最大の危機を救ったのは、姉の綾子さんの、
「100年続くこの蔵の歴史を、私たちの代で終わらせてはいけない」という強い想い。
その言葉に突き動かされるように、賢一郎さんも決意を固めます。
「自分が杜氏となり、米の生産からお酒の販売まで、すべてに一貫して責任を持つ酒造りをしたい」

「この酒蔵は、一人ではなく、二人で守る」。
この決断が、蔵の未来を大きく変えることになります。

現在、綾子さんは酒造業界以外での経験を活かし、マーケティングや広報、新商品の企画を主導しています。特に注力しているのが、若い世代や女性に向けた日本酒の発信。
老舗蔵の従来の枠にとらわれないアプローチによって、「基峰鶴」の新たなファン層を開拓してきました。
さらにその明るいキャラクターから、“元気印のお姉さん”として親しまれる存在でもあります。
そんな経営、マーケティングを姉が行うという中で、弟の賢一郎さんは杜氏として酒造りに専念できる、という役割分担が成立しています。
このバランスゆえ、伝統を守りながらも、現代の食卓や若い層に訴える日本酒の味わいを追求し、食中酒としての飲みやすさを重視するなどといった伝統酒の「基峰鶴」を進化させることが可能になっています。

造り手と届け手が明確に分かれているのも重要ですが、やはり姉弟という関係性だからこそ、忌憚ない意見の衝突もあれど「この蔵と酒を守りたい」という共通した信念は同じ。
この関係性によって、代表銘柄「基峰鶴」は長く磨かれ、単なる伝統の継承ではなく、
“今の時代に選ばれる日本酒”へと変化していると言っていいでしょう。
マネジメントとクリエイティブの切り分けが、実は新しい酒蔵のモデルのヒントにもなっている気がします。
基山商店の酒の一杯やラベルの裏には、この姉弟が、時に喧嘩をし、時に仲良く酒造りの未来について語っている笑顔を想像してしまいます。

基山の味わいを世界へ。並々ならぬ”米”への想い。

基山商店 収穫風景
※基山商店 収穫風景
画像引用元:基山商店Instagram

 

基山の味わいを世界へ――
日本酒のレベルが全国的に高まりを見せる一方で、若者の日本酒離れが進む昨今。
ただ「美味しい」だけでは埋もれてしまい、美味しいという要素以外でもアピールが必要な時代ともいえます。

けれども基山商店が貫いているのは、酒造りの原点とも言える「地元のお米」への深い愛情と並々ならぬ執念。
もともと基山商店と地元農家との結びつきは深く、賢一郎さん曰く、
「実は、山田錦の契約栽培は平成元年頃から30年以上にわたって続けているんですよ」とのこと。

さらに現在では、「レイホウ(霊峰)」というお米づくりも広く基山町の農家に依頼しており、繰り返しにはなりますが、もともと基山町は良質なお米が取れる地であり、明治時代には激しい水争いが起きるほど、米作りに対して熱量の高い土地柄だと言い伝えられているのです。

もちろん、その執念が揺らいだことがなかったとは言えない過去もありました。
というのも、あのコロナ禍に賢一郎さんは一度立ち止まって自問自答したそうです。
「家(うち)でしかできない酒造りって何だろう」と。
次に、「なぜこの基山という土地に酒蔵があるのか」という意味を深く考え抜くこととなったそうです。
その結果からあふれた思いは、
"やはり地元の農家が一生懸命育ててくれた米をしっかりと使い、それを酒に変えていく"という原点に戻るものでした。

そんな同蔵が見据えるのは、日本酒特有の「ストーリーの繋がり」。地元で採れたお米から生まれたお酒が東京へ行く、さらには海を越えて海外へと羽ばたいていく 。

たとえば佐賀県から上京した人が基山のお酒を飲み、
「このお酒のお米は実は佐賀の基山ってところで採れてるんだよ」とぽろっと飲み仲間に言う。飲み仲間は、「基山って?」と尋ねる。

そんな街の片隅の飲み屋での小さな会話が繋がり、広がることで、ただ美味しいだけではない、日本酒の「根を張った深み」が人々に伝わっていくのです。
基山の風土と農家の汗が結晶したこの一杯。これからも国境を越え、飲む人の心に深い余韻とストーリーを届けてくれることを期待します!

”佐賀ん酒”をアピール!数々の取り組み佐賀酒ミステリー頒布会

※佐賀酒ミステリー頒布会
画像引用元:SAGASAKE STORE


"佐賀県の酒蔵同士がとても仲が良い"ということはご存じでしょうか?実は、全国的にも珍しいほど、強い絆があるとお聞きしました。

そんなチーム的な佐賀の酒造さん達の、佐賀のお酒の魅力を広く伝えるためのユニークな取り組みが次々と生まれています。
たとえば「佐賀の酒蔵が集まって開催している特別な頒布会」です。
各蔵からとっておきのお酒が届けられるこの企画では、普段は市場に出さない特別な生酒や「おりがらみ」が登場することもあるとのこと 。

「普段飲めないみたいなのを飲んでもらえるような形になればなぁ」という賢一郎さんの言葉からは、飲み手の方々に喜んでほしいという真っ直ぐで温かい想いが伝わってきます。

さらに驚くべきは、複数の蔵のお酒をブレンドする「アッサンブラージュ」への挑戦です。
これは参加を希望する佐賀の酒蔵のお酒を集め、ひとつの瓶に溶け合わせるという、枠にとらわれない画期的な取り組み。
佐賀の東側に位置する酒蔵同士が合同で蔵開きを開催した際には、
「混ぜてみたらいいんじゃない」という気さくなアイデアから、思いがけない特別なコラボレーション酒が誕生することも。

それぞれに異なる個性を持つお酒が、時に激しく風味を主張し合いながらも、ひとつの新しい味わいへと昇華していく姿と言えますね。

お互いを尊重し、切磋琢磨しながら歩む佐賀の酒蔵さんの関係。
これからも、造り手たちの遊び心と情熱が重なり合い、私たちに「佐賀ん酒」の感動を届けてくれることでしょう。一方で、このお話を聞いた私たちも、ずっと応援していきたい想いを強くしました。

【基山商店】

〒841-0204
佐賀県三養基郡基山町大字宮浦151
TEL:0942-92-2300
FAX:0942-92-0181
HP:https://www.kihotsuru.com/
オンラインショップ:https://kihotsuru.stores.jp/

基山商店の日本酒をご紹介♪

基峰鶴 純米吟醸 山田錦

基峰鶴 純米吟醸 山田錦 スペック
※基峰鶴 純米吟醸 山田錦 スペック

数々の蔵が山田錦を50~60%精米で醸した吟醸酒を出品していますが、この「基峰鶴 純米吟醸 山田錦」もその主戦場で堂々と佇む逸品です。

グラスを近づけると、メロンのように華やかでフルーティな香りがふわっと漂います。
一口含めば、山田錦特有のシルキーな旨みと優しい甘みが広がる。
それでいて酸味が綺麗に抑えられているため、すっきりと軽やかにキレていく後味が特徴です。

「農家さんからいただいたお米をしっかりいいものに形にしていく。僕ができるのはここだな」と賢一郎さんの地元農家さんと共に歩む酒造りの真摯な姿勢が、味に表現されています。

さらに、賢一郎さんは毎年変わるお米のコンディションに向き合いながら、生みの苦労と手応えをこう語ってくれました。
「純米吟醸の山田錦に関しては、その年のお米の性質もしっかり掴んだ上で、うちらしいお酒になっているかなと思いますね」。

■基峰鶴 純米吟醸 山田錦 スペック■

原材料 米(国産)・米麹(国産米)
使用米 山田錦
精米歩合 麹米55%・掛米55%
アルコール度 15度

基峰鶴 純米吟醸 山田錦 ペアリング

基峰鶴 純米吟醸 山田錦 ペアリング
※基峰鶴 純米吟醸 山田錦 ペアリング 

 

やさしい旨みと軽やかな香りを持つ「基峰鶴 純米吟醸 山田錦」のペアリングとして挙がったのが「カマンベールチーズ」。

"日本酒とチーズは近年注目されているペアリング"のひとつ。

カマンベールチーズの魅力は、何といってもそのクリーミーでミルキーなコク。
ここに、この酒が持つやわらかな米の旨みが、コクに寄り添うように重なり、味わいに奥行きが生まれるのです。

さらに、ほんのりと感じるフルーティーな香りが、チーズ特有の熟成香をやさしく包み込み、全体をすっきり上品にまとめてくれます。
そして飲み込んだ後には、軽やかなキレが口の中をリセット。
脂をすっと流し、もう一口を自然に誘う。そんな止まらないような好循環が生まれているのです♪

基峰鶴 紬(つむぎ)2025壱

基峰鶴 紬(つむぎ)2025壱 スペック
※基峰鶴 紬(つむぎ)2025壱 スペック

「紬(つむぎ)」シリーズとは、創業以来100年以上積み重ねてきた歴史から様々な手法、技術を引き出し、ひとつひとつ丁寧に造り上げていくシリーズです。

いわば杜氏である賢一郎さんの「チャレンジシリーズ」。
毎回異なるアプローチで醸されるため、「今年はどんな味わいなんだろう?」という期待感も高まります。

そんな2025年の記念すべき1本目となる「壱」で挑戦したのは【香る辛口】
佐賀県の中では、”辛口の純米吟醸”が意外と少なく、そこにスポットを当てました。
まず、取り組んだのが佐賀県の酒米「さがの華」を使用した「扁平精米(へんぺいせいまい)」という技術です。
これは通常のお米の削り方とは異なり、お米の旨味を残しつつ雑味となるタンパク質部分だけを効率よく削り落とす高度な精米技術。この技術によって、より洗練されたクリアな味わいを追求しているとのこと。

そして、香りについては近年、佐賀県で開発された「佐賀はがくれ酵母StyG」を使用。
青リンゴを彷彿させるカプロン酸エチルの香りが多く出るのが特徴で、見事に”香る辛口”を表現しています。

「これまでの基峰鶴の酒造りを踏襲しつつ、さらに進化した新たな酒造りに挑戦したい」と熱く語っていた賢一郎さん。
まさにその言葉と情熱をそのまま形にしたような意欲作と言えます。

■基峰鶴 紬(つむぎ)2025壱 スペック■

原材料 米(国産)・米麹(国産米)
使用米 さがの華100%
酵母 佐賀はがくれ酵母StyG
精米歩合 60%
アルコール度 15度

基峰鶴 紬(つむぎ)2025壱 ペアリング

基峰鶴 紬(つむぎ)2025壱 ペアリング
※基峰鶴 紬(つむぎ)2025壱 ペアリング

このお酒は、華やかさの奥に"ほのかな苦味や複雑味を感じさせる"のが特徴でもあります。
その個性を引き立てる組み合わせとして、賢一郎さんが挙げているのが、「タラの芽の天ぷら」。

山菜特有のほろ苦さと、揚げた香ばしさが酒の旨みを引き出します。
さらにタラの芽の爽やかな香りと、日本酒の繊細な香りが重なり、より完成度の高いマリアージュへと昇華。

「基峰鶴 紬 2025壱」は、甘みだけではなく苦味まで楽しむ大人の一本です。

基峰鶴 上撰本醸造

基峰鶴 上撰本醸造 スペック
※基峰鶴 上撰本醸造 スペック

本醸造と聞くと”アル添酒”のイメージが先行するでしょうか?

現代の日本酒市場はどちらかと言えば「純米酒」に人気が傾いています。ネット上でも「アルコールを添加するか、しないか」という議論をよく見かけます。
そんな中、賢一郎さんは「アルコール添加のメリット」についてこう語ってくれました。

「僕自身は、アルコール添加の良さが好きなところがあるんです。やはりすっきりして飲みやすいし、バランスも良い。
『ただアルコールで割り増ししているようなお酒じゃないんだよ』っていうのをしっかりお伝えできたらなと考えています。」


醸造アルコールには、香りを引き出したり、味わいをスッキリとさせてキレを出したりする効果がある。
勿論、伝統的な作り方も十分熟知したうえで、賢一郎さんがあえて目指したのは、まさにその長所を最大限に活かした「美しくキレる本醸造」ということになります。

さらにこの「基峰鶴 上撰本醸造」の最大の特徴であり、美味しさの秘密は、その異常なまでの「贅沢な造り」にあります。
賢一郎さんの酒造りの特徴は、お米をあまり溶かさないこと。
通常、日本酒はたくさんお酒を搾る(利益を出す)ためにお米をしっかり溶かしますが、この酒ではお米を溶かしすぎず、あえて「酒粕」が多く出る造りをしています。なんと粕歩合が30%後半〜40%にもなるのだとか!

利益を追求すべき定番酒でありながら、質には絶対に変えられない。そんな賢一郎さんの並々ならぬこだわりが詰まっています。
ただ精米歩合が68%であるため、法律上のルールで「吟醸酒」と名乗ることはできませんが、賢一郎さん曰く「一昔前、二昔前の吟醸酒的な造りをしている。作り方としてはほぼ吟醸みたいな形で作っている、贅沢な本醸造」とのこと。
確かに、食用米由来のおだやかな旨味がありながらも、アルコール添加によるスッキリとしたクリアな飲み口。そして、吟醸造りならではの丁寧で雑味のないキレイな味わいが口いっぱいに広がります。

「基峰鶴 上撰本醸造」は、賢一郎さんが「本醸造の本当の美味しさ」を証明するために、採算度外視で丁寧に醸した“名酒”。
ほとんど地元でしか出回らないことが多いお酒ですが、もし出会うことができたら、ぜひその「ほぼ吟醸」のクリアな味わいを楽しんでみてください!

■基峰鶴 上撰本醸造 スペック■

原材料 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
使用米 さがびより
酵母 901号
精米歩合 68%
アルコール度 15度

基峰鶴 上撰本醸造 ペアリング

基峰鶴 上撰本醸造 ペアリング
※基峰鶴 上撰本醸造 ペアリング


賢一郎さんが上撰本醸造の相棒として挙げたペアリングは「大根と牛すじのおでん」。
「すいません、個人的に好きなだけなんですけど(笑)」と、お茶目で飾らない答えが返ってきました。

牛すじから染み出た濃厚な出汁をたっぷり吸い込んだ熱々の大根。そこへ、旨味の乗った本醸造をスッと流し込む。これだけで最高のひとときとなるのは言うまでもないですね。

また、この本醸造は常温、冷酒、熱燗など飲む温度を変え、合わせる料理を変えることで、様々な表情を見せてくれる優れものでもあります。

基山商店Q&A

基山商店の代表銘柄「基峰鶴」の名前の由来は何ですか?
代表銘柄「基峰鶴」は、佐賀県基山町にそびえる国の特別史跡・基肄(きい)城がある「基山」の山懐を、悠然と舞う鶴の優美な姿から命名されました。この名前には、基山の豊かな自然と歴史への敬意が込められています。
基山商店が目指す酒造りの特徴やこだわりは何ですか?
基山商店は、基山町でとれる「美味しい味わいの柔らかいお水」を最大限に生かし、「本当に飲んで笑顔になれるような、ほっこりするようなお酒造り」を目指しています。また、地元・基山町産のお米へのこだわりが強く、農家と連携して真の地酒造りを追求しています。伝統を守りつつ、酸味やフルーティーさを持つ新しい味わいにも挑戦しています。
基山商店の小森姉弟は、どのように役割分担をして酒造りに取り組んでいますか?
弟の小森賢一郎さんは杜氏として酒造りに専念し、「造りたい酒の着地点を決めて逆算する」という考えで酒造りを牽引しています。一方、姉の綾子さんは常務として、酒造業界以外の経験を活かし、マーケティング、広報、新商品の企画を主導。特に若い世代や女性に向けた日本酒の発信に力を入れています。この明確な役割分担が、伝統と革新を両立させています。

まとめ

「基山商店」は、佐賀県基山町で1920年に創業し、105年の歴史を持つ老舗蔵。
代表銘柄「基峰鶴(きほうつる)」は、豊かな自然と鶴の優美な姿に由来します。
そんな基山の柔らかな伏流水を活かし、「飲んで笑顔になる、ほっこりするお酒」を醸し続けています。その品質は折り紙付きで、国内外の鑑評会で数々の賞を受賞し、海外への輸出も行っています。

同蔵を牽引するのは小森姉弟。前杜氏の引退による廃業の危機を
「100年続く歴史を終わらせない」という強い思いで乗り越え、弟の賢一郎さんが専務兼杜氏として酒造りに専念し、姉の綾子さんが広報やマーケティングを担当。そんな姉弟の連携で、若い世代にも響く日本酒の魅力を発信しています。

また30年以上お付き合いのある地元農家が育てた酒米を用いるなど、「地元への深い愛」を大切にし、基山の風土を国内外へ届ける「真の地酒造り」を追求しています。
さらに県内の"他の蔵と協力した合同イベントやブレンド酒(アッサンブラージュ)の開発"など、地域全体を盛り上げる活動にも積極的に取り組み、伝統の重みと、次世代を見据えたビジョンを両立した蔵です。

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とも 日本酒ライター ラジオ番組制作者を経て、Web・EC事業に長らく携わっています。
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じゅん 日本酒ライター ものづくりに携わっている傍ら日本酒ライターをしています。
日本酒の美味しさに目覚め、すっかり虜になりました。
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趣味:ガラス細工、旅行、フットサル
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