【酒蔵社長・杜氏直伝】日本酒おつまみシリーズとは
・日本酒を飲むのは好きだけど、どんなおつまみと合わせればいいんだろう?
・いつも同じおつまみばかりで飽きてきてしまう…
・この酒質の日本酒にはどんな料理が合うのかな?
皆さん、日本酒を飲まれる際、こういった悩みに直面したことはないでしょうか??
私はめちゃくちゃあります!!(笑)
日本酒とおつまみの相性は、ハマればハマるほどお互いの味わいを引き立ててくれ、至福のひとときになり得る重要な要素だと思います!
ハンズオンSAKEでは、そのようなひとときを提供できるよう毎月行われているオンライン酒蔵留学にて酒蔵の方におすすめのおつまみを伺っています。
今回は、約40年ぶりに日本酒蔵を復活させた世嬉の一酒造(せきのいちしゅぞう)四代目蔵元「佐藤航」さんにおすすめペアリングを教えていただきました!
“お酒は強くないが、おつまみは大好き”という佐藤社長が新たに復活した日本酒「世嬉の一」に合うおつまみを厳選してくれましたのでご紹介していきます!!
ハンズオンSAKEのオンライン酒蔵留学とは
オンライン酒蔵留学は、おうちにいながら地方のお酒の作り手さんとダイレクトにつながって、一緒に乾杯できる日本酒通販サービスです。
作り手さんの想いや人柄も味わうことができ、日本酒を通して「人生の学び」や「新たなつながり」が生まれます。
離れて暮らす仲間と「たのしく学ぶ」ことで、いつものお酒がさらに美味しく味わい深くなっていきます。
今回のように直接酒蔵の方におすすめのペアリングメニューを聞けるのもオンライン酒蔵留学の醍醐味です。
※オンライン酒蔵留学の概要や予定などはこちらからご覧ください!
世嬉の一酒造について
創業は、1918年(大正7年)。
岩手県一関市の街中を流れる磐井川沿いに蔵を構えます。
代々受け継がれた古い蔵群を残すおよそ1200坪の敷地内には、郷土料理レストラン、ビール工場や博物館などが並び、蔵を活かした幅広い事業展開で訪れる人々を魅了し続けている酒蔵です。
創業当時は“横屋酒造”という屋号で営んでいました。
もともとこの地には江戸時代から続く「熊文酒造」という蔵がありましたが、大正期に倒産したため、横屋酒造の次男であった初代社長「佐藤徳蔵」氏が引き取る形で新たに横屋酒造を設立しました。
“横屋”とは、通りに面して建物が横向きに建てられていたことが由来とされています。
横屋酒造は皇室や靖国神社などにも奉納する酒屋だったこともあり、1920年(大正9年)に皇族の閑院宮様(写真中央)が蔵を訪れます。
その際、
「世の人々が嬉しくなる一番の酒造りをしなさい。」
との金言を頂戴し、【世嬉の一】というブランドが誕生しました。
そして、1957年(昭和32年)に「世嬉の一酒造株式会社」へと社名を変更します。
その後、戦争、2度の水害、東日本大震災など数々の苦難に見舞われ、何度も経営危機に追い込まれてきた世嬉の一酒造ですが、周囲の人々の支えや蔵人たちの諦めない心により乗り越えてきました。
清酒造りの休業や共同醸造などを経て、1995年(平成7年)に開始した地ビール事業が世嬉の一酒造の新たな代名詞となります。
地元の素材を活かした数々のクラフトビールは、多くの品評会で受賞するほど皆様に愛され続け、今では岩手県で一番古いビール会社となりました。
そして、この度創業100周年を機に、悲願であった日本酒造りの再開を約40年ぶりに果たすこととなります。
日本酒蔵復活の構想は、三代目蔵元の時代からありましたが、借金の返済や震災などの影響により実現することが出来ずに2020年の新型コロナウイルス騒動を迎えます。
蔵の売上は減少し、またも日本酒蔵復活は延期かと思われましたが、事業再構築補助金が認定され、さらにクラウドファンディングによる支援もあり、2023年(令和5年)に見事日本酒蔵再建の夢を果たしたのです。
そうして生まれ変わった清酒「世嬉の一」が誕生し、ビールだけではなく日本酒でも一関市を盛り上げていこうとしています。
かつて低迷期には「お化け屋敷」と呼ばれていた世嬉の一酒造ですが、蔵を解放した施設は一関市の観光名所となり、歴史を継承したお酒造りは人々を喜ばせ続け、現在では岩手県に欠かせない酒蔵へと成長を遂げてきました。
【世嬉の一酒造】
〒021-0885
岩手県一関市田村町5-42
TEL:0191-21-1144
HP:https://sekinoichi.co.jp/
通販サイト:https://www.sekinoichi.com/
※世嬉の一酒造の詳細やオンライン酒蔵留学の様子をまとめたレポート記事はこちらからご覧いただけます。
↓ ↓ ↓
今回紹介する日本酒とペアリングメニュー
※オンライン酒蔵留学参加者提供画像
今回ご紹介する日本酒はこちらの3種類!!
1. (新酒)特別純米酒 世嬉の一
2. スパークリング純米酒 世嬉の一
3. 純米大吟醸酒 世嬉の一(結の香)
いずれも日本酒造りを再開して誕生したばかりの新商品♪
早速、それぞれの特徴とペアリングメニューをご紹介していきたいと思います!
「(新酒)特別純米酒 世嬉の一」のペアリングメニュー
色々な食事に合わせられるお酒を造りたいと考え、一関産の食用米「ひとめぼれ」を60%まで磨いて出来上がったのがこちらの特別純米酒。
酵母には岩手県で開発された「ゆうこの想い」を使用しており、柔らかく温かみのある味わいに仕上がっています。
口に含んだ時にひとめぼれの香りと旨味がふわっと広がり、さらっとした後味でクリアな印象を受けます。
日本酒造り再開から1年目で既に完成された味わいですが、まだまだ試行錯誤の段階とのことなので、佐藤社長が思い描く酒質になるまで日々の研究に余念がありありません。
しかし、そんな未完成なこの特別純米酒が2024年6月に行われた【MILANO SAKE CHALLENGE】のテイスティング部門でなんと最高賞であるプラチナ賞を受賞したのです!!
日本酒造りを再開して早くも世界に認められた佐藤社長の手腕は確かなものと証明され、今後の進化にも大きな期待が出来そうです♪
・規格:純米酒
・使用米:ひとめぼれ
・酵母:ゆうこの想い
・精米歩合:60%
・アルコール度数:15度以上16度未満
・日本酒度:+1.0
・酸度:2.1
・アミノ酸度:+1.9
・おすすめ温度帯:冷
ペアリングメニュー
(新酒)特別純米酒 世嬉の一 ペアリング
- イカの腑(ふ)焼き
- ホヤの塩から(ばくらい)
(新酒)特別純米酒 世嬉の一は、旨口でスッキリとしたお酒なので、濃い目の味のお料理やおつまみに合わせると相性抜群です♪
イカの腑焼き
岩手県はイカの漁獲も盛んで、新鮮なイカのワタと絡めて炒めた腑焼きは日本酒のお供に最適♪
腑焼きの濃厚な旨味と少し苦みのある深い味わいが口の中にいっぱい広がり、そこに旨口の純米酒を流し込むと絶妙なハーモニーが生まれ余韻に浸りたくなります。
バターで焼いたり、にんにくやしょうがを入れたり、さまざまなアレンジも効くおつまみなので是非お試しください!!
ホヤの塩から(ばくらい)
岩手県気仙沼市はホヤ養殖発祥の地と呼ばれており、岩手の方には馴染みの深い食材。
ホヤは貝だと思われがちですが、実は動物に近い脊索動物の一種。
ランプシェードに当たる火屋(ほや)に形が似ていることからホヤと言われ、凹凸のあるその形状から「海のパイナップル」と呼ばれています。
ホヤは刺身や酢の物として食べるのが一般的ですが、佐藤社長自身も大好物としておすすめなのがホヤの塩辛(ばくらい)!!
ホヤとこのわた(ナマコの腸)で作られるこの珍味は、口の中に旨味と磯の香りが広がり日本酒のおつまみとして絶品♪
ちなみに「ばくらい」の名前は、ホヤの形が潜水鑑攻撃に使う爆弾「爆雷」に似ている事から由来しています。
「スパークリング純米酒 世嬉の一」とペアリングメニュー
岩手県の食用米「いわてっこ」を使用したスパークリング清酒。
日本酒度-3.0と少し甘めですが、酸もあるのでさっぱりとした味わい。
柔らかい発泡感が舌を包んでくれるので非常に飲みやすいスパークリングに仕上がっています。
また、アルコール度数も13%台なのでお酒の弱い方や女性の方など幅広い層にお楽しみいただける一本です♪
一般的にスパークリング日本酒は、シャンパーニュと同じ「瓶内二次発酵」という方法で醸造されます。
しかし、世嬉の一酒造のスパークリングはビール醸造の知見を活かした「タンク内二次発酵」を採用しているのです!
この世嬉の一酒造オリジナルの方法により、冷蔵保存が必須だったスパークリング日本酒が常温保存でも可能となり、開栓後の発泡感も持ちが良くなりました。
こちらのスパークリング純米酒に関しても先日行われた【MILANO SAKE CHALLENGE】にてシルバー賞を受賞しました!!
是非一度ご賞味ください♪
・規格:純米酒
・使用米:いわてっこ
・精米歩合:60%
・アルコール度数:13.4度
・日本酒度:−3.0
・酸度:2.0
・アミノ酸度:1.0
・おすすめ温度帯:冷
ペアリングメニュー
スパークリング純米酒 世嬉の一 ペアリング
- トマトクリームパスタ
- アンチョビとバジルのピザ
- フライドポテト、チップスなど
甘めでさっぱりとした発泡感が味わえるスパークリング日本酒には、スナック系のおつまみやパスタなどの洋食系に合わせると相性が良いでしょう♪
BBQなどの屋外イベントなどにも是非!!
トマトクリームパスタ
濃厚で酸味のあるトマトクリームパスタはスパークリングとの相性抜群♪
甘みのある純米酒がパスタの味わいと調和し、シュワシュワとした泡が口の中をさっぱりと洗い流してくれます。
パスタは定番の料理なので、それに合わせやすいスパークリング日本酒があるとホームパーティーなどのイベント時にありがたいですね!!
アンチョビとバジルのピザ
ピザもパーティーや特別な日に食べたい料理ですね!
アンチョビの塩味とバジルの香りをスパークリング純米酒が優しく包み込んでくれて見事なマッチングを演出してくれます♪
フライドポテト、チップスなど
フライドポテトやチップスは手軽に食べられる定番のおつまみですね!
家に本格的なおつまみがなくてもこれさえあれば何とかなってしまう存在♪
ビールや発泡酒が証明しているようにスナック系とスパークリング日本酒が合わない訳がないですよね。
スパークリング日本酒は柔らかな発泡感と滑らかな喉越しが特徴なので、おつまみや料理の邪魔をせずスルスルとペアリングを楽しむことが出来ます♪
「純米大吟醸酒 世嬉の一(結の香)」とペアリングメニュー
酒米の王様「山田錦」にも引けを取らない岩手県産の酒米「結の香(ゆいのか)」を使用した純米大吟醸。
南部流の酒造の原点である
“いかに澄んだ旨味を出すか”
これを体現してくれるのが大吟醸用に開発された結の香。
そこに岩手県の酵母「ジョバンニの調べ」と岩手県の麹「ルーツ36」を合わせています。
地元で日本酒造りを復活させる際に、『岩手の原材料で地酒を造たい』という佐藤社長の想いが込められて誕生した純米大吟醸です。
大吟醸らしく華やかな香りに、甘すぎない爽やかな飲み口で透き通った上品な旨味が感じられます。
・規格:純米大吟醸
・使用米:結の香
・酵母:ジョバンニの調べ
・精米歩合:40%
・アルコール度数:15度以上16度未満
・日本酒度:−4
・酸度:2.1
・アミノ酸度:+1.9
・おすすめ温度帯:冷
ペアリングメニュー
純米大吟醸酒 世嬉の一(結の香) ペアリング
- 白身魚系のお刺身
- 白身や野菜の天ぷら
香り高い純米大吟醸ですので、邪魔をしない淡白な白身魚や控えめな味の料理と合わせるのがベストです♪
白身魚系のお刺身
岩手県は、タイやホウボウ、アイナメなどの白身魚も豊富に水揚げされます。
純米大吟醸の豊かな香りと爽やかな飲み口に、淡白で身の締まっている新鮮な刺身は相性抜群です!
鼻に広がる吟醸香と共にお刺身を噛みしめてじっくりと余韻に浸りたいものですね。
白身や野菜の天ぷら
これまた純米大吟醸にぴったりな天ぷらの登場です!
白身魚の天ぷらはもちろんですが、葉物やレンコンなどの野菜の天ぷらをお塩でいただくとお酒の旨味がぐっと引き立てられますね!
特に一関市はシイタケ王国と言われるほど栽培が盛んで、佐藤社長も太鼓判を押すほど美味しいので天ぷらにしたら最高です♪
日本酒をお家で飲むならオンライン酒蔵留学
・酒蔵見学に行ってみたいけど、時間が取れない…
・もっと色んな日本酒の知識を増やしたい!
・日本酒好きの仲間が欲しい!
そんな時は是非オンライン酒蔵留学にご参加ください♪
毎回異なる酒蔵さん、日本酒に関する異なるテーマでイベントを開催しており、蔵元さんと直接交流する機会や留学生と真剣に議論するなど貴重な体験が出来ます。
新たな発見や出会いを求めていつもと一味違う晩酌タイムにしてみませんか?
ご興味のある方は、下記よりご参加ください!
皆さんのご参加お待ちしております♪
オンライン酒蔵留学の流れ
①事前にお酒が届く!
・オンライン酒蔵留学をお申し込み後、ご自宅にお酒をお届け。
②オンライン酒蔵留学に参加!
・つくり手さんと乾杯!(ZOOMまたはYouTube LIVE)
・前後半に分けて皆さんと交流しながら推し蔵ポイントを探る。
③全国に飲み友達が出来る!
・オンラインで全国の日本酒ファンと情報交換し、飲み友達が出来る。
過去のオンライン酒蔵留学の様子をまとめたレポートは記事はこちらからご覧いただけますので、是非参考にしてみてください!
↓ ↓ ↓
つくり手さんと「つながる」
つくり手さんの想いを「のぞく」
自分たちの世界観を「ひろげる」
次回もハンズオンポーズで乾杯!